富岡八幡宮と深川八幡祭り
富岡八幡宮は寛永4年(1627)、初代別当長盛法印が霊夢に感じ、八幡様の御神像をお祀りしたのが始まりと伝えられています。その頃の深川は隅田川河口の海辺の村落といったところでしたが、やがて周辺の埋め立てが進んで門前町が形成され、一方では深浜の漁師町、木場の木材商、佐賀町の倉庫地帯、新川の酒問屋街などの発達により、江戸の暮らしを支える拠点としても発展、繁栄をみるようになります。
富岡八幡宮の祭礼は深川八幡祭りとも称され、寛永19年(1642)に将軍家光の長男(のちの家綱)の世嗣祝賀を執りおこなったのが始まりとされています。日枝神社の山王祭、神田神社の神田祭りと並んで江戸三大祭りのひとつに数えられ「神輿深川、山車神田、だだっ広いが山王様」とも謳われるほどのその神輿ぶりが有名です。特に下町風の勇み肌「わっしょい、わっしょい」の掛け声と沿道の人々からは清めの水が威勢よく浴びせられ「水かけまつり」とも親しまれています。殊に3年に1度の本祭りに氏子各町50数基の大神輿が勢揃いしておこなう連合渡御は圧巻です。
富岡八幡宮には紀伊国屋文左衛門が奉納した三基の御本社神輿があり深川の誇りでしたが、大正12年の関東大震災で惜しくも焼失してしまいました。その後昭和5年に製作されたのが御鳳輦で、現在でも本祭りの年に氏子各町を渡御し氏子の皆様の温かい出迎えを受けています。また御本社神輿に関しては平成になって復活が果たされ、平成3年には一の宮神輿、平成9年には二の宮神輿が製作されました。特に一の宮神輿は台輪幅五尺(1.5メートル)、高さは4メートルを優に超え重量は4.5トンと名実ともに千貫神輿です。
富岡八幡宮は大火、地震、空襲とたび重なる災害を乗り越え復興してきました。戦後初の本祭りである昭和23年には、佐賀町の神輿が早朝二重橋前に渡御し皇居を拝して深川の復興状況を奏上しています。それから70余年、富岡八幡宮は江戸以来の変わらぬ信仰と、伝統秩序に則った誇るべき祭礼をいまに伝えています。
伝統が6年ぶりに再び繋がる今年、
お神輿だけではない、3日間の本祭りを楽しんで
富岡八幡宮 松木伸也さん
受け継がれてきた深川祭りの歴史と伝統とは。富岡八幡宮 松木伸也さんにお話しをうかがいました。
深川祭りの起源は寛永19年、徳川家綱が誕生し、成長祈願のために行われた神事が始まり。翌年から神輿が出て賑やかな祭礼になって町に広がり、人と人、町と町の和を築くという意味合いも加わり、町の人々にとって楽しみなお祭りとなっていったのでしょう。「わっしょい」という掛け声は、〝和を背負う〟という意味。江戸時代は神社の本社神輿と町の山車による渡御でしたが、明治期には町会も神輿を持つようになり、今の形になったようです。
3日間の本祭りには様々な行事があり、神社が執り行うのが12日の「神幸祭」と15日の「例大祭」。神幸祭では神輿をトラックに載せ、氏子地域70カ町を巡ります。神様が町を直接ご覧になり、御神徳を与えてくれるのです。連合渡御はそのお礼参りというわけですね。例大祭は、社殿の中で神職がお供え物をささげ、宮司が祝詞を奏上します。江戸時代より8月15日と決まっていて、家綱の成長祈願として行われた神事が今なお続いているのです。
勇壮かつ整然で、統制のとれた渡御が当神社の連合渡御の特徴。そこに豪快で迫力ある水かけと、統一された「わっしょい」の掛け声が重なり、ダイナミックなシーンを生むのです。特に午後、新川から永代橋を通って富岡八幡宮まで一直線に並ぶ様子は圧巻。6年を経てその渡御が復活するのは嬉しいの一言に尽きますね。
歴史と伝統に触れる「富岡八幡宮資料館」
「東京にはいくつか有名な連合渡御がありますが、富岡八幡宮はその先駆けなんですよ」と松木さん。今の形態となった明治時代の祭りの写真なども資料館で鑑賞できる。※要予約
富岡八幡宮 江東区富岡 1-20-3 TEL : 0336421315
HP www.tomiokahachimangu.or.jp / X(旧Twitter)@FukagawaTomioka
2023年行事日程
令和5年 富岡八幡宮例大祭 行事日程
8月11日(金)
15:00 | ジャズ演奏/ザ・ドリーム・スクエア・ジャズ・オーケストラ |
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16:30 | 神々への響き/第24回富岡八幡宮太鼓の宴 |
8月12日(土)
8:00 | 神幸祭(鳳輦渡御) |
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17:30 | 太鼓と舞/深川祭人 |
19:30 | 太鼓/葵太鼓 |
8月13日(日)
7:30 | 各町神輿連合渡御 |
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09:00 | 朝御饌祭 |
14:00 | 歌謡/山西アカリ |
15:30 | 少林寺拳法/深川道院 |
18:00 | 神楽/石見神楽 |
8月14日(月)
9:00 | 朝御饌祭 |
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11:00 | 崇敬会員参拝 |
14:00 | 歌謡/りんともシスターズ |
15:30 | 琴・三味線演奏/生田流牡丹会 |
17:00 | 能舞台/深川能舞台 |
19:00 | おどり/細川民族舞踊研究会 |
8月15日(火)
11:00 | 例大祭祭典 |
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18:00 | 琴演奏/山木千賀 |
18:00 | お茶会/江東区茶華道会 |
20:00 | ガムラン演奏と舞踊/深川バロン倶楽部 |
期間中
献花・江東区茶華道会
献句・秉燭会(へいしょくかい)
奉納剣道大会 江東区剣道連盟(9月10日予定)
2017年深川八幡祭りVR動画
VRスコープをお持ちでない場合でも、スマートフォンやパソコンのブラウザでVRコンテンツを視聴することができます。
ただし、その場合は3Dではない360°動画として表示されます。
VR動画視聴方法
①スマホにYouTubeアプリをインストールします。
②特設サイト(本サイト)へ移動し、VR動画を選択します。
③新しく開かれたページにて再度VR動画画像をタップするとYouTubeアプリが起動します。
④動画が再生されたら画面右下にあるVRスコープマークをタップします。
⑤画面が2分割されたらVRスコープにスマホをセットします。
⑥スコープを覗いて、VRをお楽しみください。
注意事項
※動画の再生はYouTubeアプリを使用してください。
(Android端末の場合は動画選択後にアプリケーションの選択画面が出ます。デフォルトアプリが設定されていてYouTubeアプリが起動しない場合は設定を解除してください。)
※YouTubeは、携帯電話のネットワークでご利用の場合、低画質で再生される場合があります。
スマホ画面右上の設定より画質を手動で設定するか、Wi-Fi等の通信環境でご利用いただくと高画質でお楽しみいただけます。
※視覚などへ悪影響を及ぼす可能性があるため13歳以下の方は、ご利用できません。
※気分が悪くなった時は使用をただちに中止してください。
※VRスコープはダンボール製のため引火の恐れがあります。火のそばに置かないようにしてください。
※スマートフォンの落下にご注意ください。
※歩きながらの視聴はしないでください。
※レンズで直射日光を覗かないでください。
※レンズの集光により発火する可能性があります。ご注意ください。
※VRスコープはダンボール製のため肌に触れると皮脂が染み込む事があります。
※ご使用後の破損などは返品、補償いたしかねます。